コラム働き方改革を成功させる最大の関門は「実行」にあり

働き方改革の施策を推進していくと、多くの課題に直面します。その課題をクリアして何らかの成果を出し、成功へ導くためには、最大の関門である「実行」に着目する必要があります。
そこで今回は、この「実行」の重要性について解説します。

働き方改革における働き方の見直し もう一つの関門とは

働き方改革とは、従来の働き方を抜本的に見直し、従業員満足度を高めながら、働き手のすそ野拡大と1人あたり労働生産性の飛躍的な向上を目指すものです。

働き方の見直しにあたっては、次の2つが重要であることは、複数のコラムで述べている通りです。

1.業務の見える化やITテクノロジーツール導入などの“仕組みの再構築”
2.“従業員のモチベーション”を最大限考慮した改革プロセス

しかし改革を成功させ、イノベーションレベルの大きな成果を挙げるためには、もう一つ重要な関門があります。それが「実行」です。

これまで弊社はさまざまな企業の改革を支援してきましたが、実は働き方改革において最もむずかしく、かつ、最も成否にインパクトを与えるのは「実行」であるということがいえます。

「実行」して成果を生み出すための重要ポイント

働き方改革において「実行」を円滑に進め、かつインパクトのある成果へ結びつけるためには、いくつかの重要な点があります。大きく分けて次の2つが挙げられます。

1.組織を動かす工夫
2.個人のマインド・スキル

1.組織を動かす工夫

実際に実行するためには、全社的に「組織を動かす」ことが必要です。それには(1)意思決定材料、(2)意思決定プロセスの工夫の2つが求められます。

例えば、社員が時間削減のために、仕事を大胆に「捨てる」意思決定をしなければならないことに直面したとします。しかし捨てるのはむずかしく、大抵の場合は「ちょっとした簡素化」程度に終わってしまいがちです。これでは大きな成果が期待できません。

そこで社員へ意思決定の材料を提供したり、その意思決定プロセスを工夫したりすることを通じて、円滑に、かつ大きな変革の意思決定を後押しすることが重要となります。

例えば、意思決定の材料の提供とプロセスの工夫は次のように実施します。

STEP1.ゼロベースで捨てる範囲や程度を考えリストアップする
このことにより「ちょっとした改善」レベルを超えた打ち手案は提示されますが、これだけでは決め手に欠けます。そこでSTEP2を実施します。

STEP2.社外のベストプラクティス(ベンチマーク情報)を意思決定のモノサシとして提示する
このような工夫により、意思決定のしやすさが格段に上がります。

STEP3.当事者間で利害関係が発生する場合など、決めきれない場合は、意思決定レベルを上に上げていく
このことにより、当事者間の利害を超えることができます。

ただし、意志決定レベルを上に上げていくといっても、経営陣などの最終意思決定者が現場の細かい状況まで把握することは困難です。そこで、現実的にはSTEP1やSTEP2の「材料」が社員の意思決定上、大いに役立ちます。

2.個人のマインド・スキル

実行で成果を生み出すためのもう一つの方法は、個人の(1)改革マインド、(2)問題解決スキルなどを向上させることが挙げられます。

例えば、改革をはじめると各当事者はこれまでの常識を理由にして「できない理由」にばかり頭が行きがちになります。しかしこのようなときには「やれるとしたらどんなやり方があるか」から考え始めて、個々の障害を潰していく、というゴールから逆算する発想が必要です。この改革マインドは各人に必要不可欠です。

また、改革には問題を特定し、解決策を立案・選択・実行する問題解決スキルも重要になってきます。

こうした改革マインドや問題解決スキルは、改革経験をもつ第三者が伴走し、何度も討議する中で、徐々に醸成され強化されていくものです。

まとめ

今回ご紹介したような「実行」上の工夫や対応がうまく行えるかどうかにより、働き方改革のスピードや成果は大きく変わります。「実行」を最後の関門として重要視してとらえて確実に対策を行うことで、改革が最後までうまくいくでしょう。

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