事例業務量と人員体制・役割の適正化で総労働時間を22%抑制
A社(上場・システム関連・年商300億円)残業抑制や業務量と人員体制・役割の適正化に加え、単体だけではなく、
グループ企業間連携等の付加価値業務の時間拡大を通じ、労働生産性を引き上げ
部門横断的に非効率な業務のプロセス見直し、属人化された業務の標準化、
部分的に残されたマニュアル管理業務のシステム化を図ることにより、
更なる効率化に向けて邁進中
背景・課題
- A社は独立系のシステムインテグレーター。高い技術力と豊富な実績を武器に10年以上に渡り右肩上がりの成長を続けてきた
- 持続的な売上拡大に伴い、業務量も大幅に増加。特に従業員増に伴い、オフィスインフラから法務等の専門サービスに至るまで、管理部門が担う“社内サービス”業務が増大。また、業容拡大に合わせ“スピード重視”で各部門が新たな業務を設計・導入した結果、部分的には適性にみえるものの全社横断でみると非効率な業務が散見されるようにもなっていた
- こうした状況に対し、A社では管理部門の従事人数を年々拡充。にも関わらず、一部のスタッフの残業が恒常化しており、従業員視点の“働きやすさ”の面でも、経営視点の“コスト効率・生産性”の面でも、仕事の見直しを中心とした“働き方改革”が急務だった
プロジェクトの目的・ゴール・対象
- A社は、管理部門(総務、人事、購買等)を対象に、“働きやすい環境づくり”と、その上での“業務・組織のスリム化、生産性向上”を目的とした“働き方改革プロジェクト”を実施する方針を決定
- 社外ノウハウの導入や第三者視点、滞りがちな実行支援への期待から、イコール・パートナーズとの共同プロジェクトチーム体制で進めることが決まった
取組の概要・手順
- プロジェクトでは、はじめに“仕事のみえる化”を実施。当時、対象部門の一部で独自に業務時間調査を始めていたが、業務を細かく分けた結果、集計はしてみたもののどこから手をつけるべきかの判断がつかず、次の打ち手を打てずにいた。これに対して、細かすぎず、かつ大雑把すぎない業務のブレイクダウンと集約を行い、季節業務やスポット業務も含め「おおよそこの通り」と把握ができる業務調査を実施した
- 業務調査結果を分析、問題と思われる点については部門長、担当者に直接追加ヒアリングを行い、紙では書けない・書ききれない補足情報を収集、業務生産性における課題を抽出した。例えば、作成部門と利用部門が異なる報告書のような「部門横断視点」の必要性が高いアウトプットについては、両部門の認識のギャップを重点的に把握すると共に、全社としてあるべき姿に照らすことで課題を明確化した
- 併せて、より大きな成果を出すために、現状踏襲型のプロセス改善に走るのではなく、ゼロベース思考+社外ベンチマーク情報(世の中のベストプラクティス)をフル活用し、「打ち手」を立案した。例えば、RPA(業務用ロボット)やクラウドサービス等の最新テクノロジーの活用範囲や組織の適正規模等、世の中のベストプラクティスと比較することで、より踏み込んだ打ち手に繋げた
- 上記の業務調査やヒアリングから抽出された「課題」と「打ち手」について、上司・部下・弊社3者間での認識を共有する目的で、部門長、マネジャー、リーダー、主要担当者を交えたワークショップを開催した
- ワークショップでは、同部門内でそれまで見えてなかった他グループの課題も部門全体として認識し、打ち手の方向性と優先的に解決すべき課題を特定した。併せて、実施手順や大枠のスケジュールを示す「マスタープラン」を策定
- 上記プランをもとに、実行フェーズへ移行
プロジェクトの成果
- 対象部門42人分の総労働時間を22%抑制。残業抑制や業務量と人員体制・役割の適正化に加え、単体だけではなく、グループ企業間連携等の付加価値業務の時間拡大を通じ、労働生産性を引き上げ
- 部門横断的に非効率な業務のプロセス見直し、属人化された業務の標準化、部分的に残されたマニュアル管理業務のシステム化を図ることにより、更なる効率化に向けて邁進中
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