コラム生産性の高い結果を出せる仕事の遂行ステップ

働き方改革が進められる中、個人の生産性を高めることは急務といえます。そのような中、社員個人が仕事を効率的に遂行する上で、特に生産性を高め、短時間で質と量の高いアウトプット(=成果)を出すための具体的なステップを解説します。

生産性の高い仕事の遂行ステップ

生産性の高い仕事を遂行するために欠かせないステップは次の4つです。

1.何をやる・やめる?
2.道筋は?
3.いつやるか?
4.どうやるか?

この4つのステップを踏み、ポイントを押さえて実行することではじめて、その業務の生産性を高めることが可能です。

各ステップのよくある失敗と対策

ここからは、各ステップのポイントを解説していきます。各ステップにおいて生産性を下げてしまうよくある失敗と、生産性を高める対策に分けて解説します。

1.何をやる・やめる?

まずはどの業務をやるか、どの業務をやめるか、を取捨選択するステップです。

●よくある失敗
緊急性の高い業務を重要度問わず、優先的に行ってしまい、緊急性は低いが重要性が高い業務が遅れがちになるのはよくあることですが、それが問題となります。緊急性が低く重要性が高い業務の例としては、納期の無い「新規事業・サービスの企画」「仕事の段取り・計画」「計画的なスキルアップ・体力づくり」「目的が明確な情報収集」などがあります。このような業務をないがしろにして、期限のある業務や毎日のルーティン、ないよりはあったほうがいい業務に忙殺されがちですが、長期的に見た場合、生産性の面では重要性の高い業務が遅れることで、生産性が下がります。

●対策
思い切って、緊急性は問わず、重要度が低い業務は意思をもってやめること、そして緊急性が低く重要性の高い業務は意思を持ってやること、この取捨選択をすることが解決への第一歩です。目的を強く意識して、やる、やめる、を大胆に決めることが重要です。

2.道筋は?

道筋とは、その業務のスタートからゴールまでの過程のことです。業務を行っていくと出てくる「分かれ道」が来たら、どの道を選択するかによって、大きく生産性が変わってきます。

●よくある失敗:その1
早く結果を出そうとして、一から順番に業務を進めていったとしても、思いのほか障害が多く、気が付いた時には長時間が経過していたということは決して珍しくありません。

●対策:その1
「急がば回れ」ということわざの通り、ゴールから逆算したアクションプランが手戻りや無駄の抑制に威力を発揮します。はじめにゴールと全体の道筋をイメージすると、完成度とスピードを飛躍的に改善できます。

例えば、Aさんは積上型のボトムアップでコツコツ仕事を遂行し、結果的に納品期限までに右上がりで完成していきます。一方、Bさんは、はじめにゴールイメージを持っていたため、道筋があらかじめ明確になり、納品期限よりもかなり前倒しで仕事が完成します。これにより、BさんはAさんと比べて時間短縮による価値向上が図られます。

●よくある失敗:その2
もう一つのありがちな生産性が下がる例として、ToDoリストの設定方法のミスがあります。例えば、「A社への営業訪問準備」というタスクを設定したとします。これではタスクレベルまで分解されていないため、仕事が進みません。また、「新サービスの検討(今年中)」というタスクを設定したとします。これでは期限があいまい、または期日が遠すぎるために業務を先延ばししてしまう要因となってしまいます。

●対策:その2
「A社への営業訪問準備」は、次のようにタスク分解と期限設定をします。

【A社への営業訪問(~9/30)準備】
・アポイント設定(~9/10)
・企業概要確認、ニーズの想定(~9/15)
・提案書の作成(~9/25)

「新サービスの検討(今年中)」は、次のようにタスク分解と期限設定をします。

【新サービスの試作品完成(~9/30)】
・構成要素(想定ニーズ・提供価値・機能・費用価格等)の洗い出し(~9/10)
・ブレーンストーミング(~9/20)

このようにすることで、いつまでに何をすればいいのかのタスクが明確になり、目標期限に向けて効率的に業務を行っていくことができます。つまりToDoリストの実効性は、「タスク分解」と「期限設定」の2つによって決まるのです。

3.いつやるか?

何をやるかと道筋が決まったら、次はその業務をいつやるかを考える必要があります。

●よくある失敗
もちろん「いつまでにやるか」の期限は重要ですが、「いつやるか」も決めないと仕事は進みません。よくある生産性を下げてしまう一日のスケジューリングの方法として、「自分の業務」をいつやるかを決めないために生産性を下げてしまうことがあります。

例えば、一日のスケジュールを立てるときに、特に予定がないところに、「他人アポ」の予定を入れてしまったり、会議や来客などの「他人アポ」だけを予定表に掲載したりしてしまったりします。しかしこれでは自分の業務は後回し、もしくは重要度が低くなってしまいます。

●対策
生産性を上げるのに重要なのは、実は「自分アポ」のほうです。あらかじめ、朝から「自分アポ」の「A社提案書作成」などの重要度の高いタスクを入れておけば、重要度の低い「来客対応」は次のランクになります。取捨選択において「やる」と決めたものは、当然、重要度が高い作業であることから、しっかりと予定に組み込むことが重要です。

4.どうやるか?

最後のステップでは、その作業をやるだけです。しかし、やり方によって、当然、スピードは変わってきます。

●よくある失敗
昨今はそれほど多くないですが、生産性を下げてしまう例として、定型文を使わず、メール文などをすべて直打ちして時間を浪費するというのはよくある失敗です。また、会議については目的やゴール、アジェンダを設定しないといったことも生産性を下げてしまう理由の一つです。

●対策
仕事のやり方一つとっても、工夫の余地は幅広く存在します。基本的な工夫例には次のことがあります。

・メール・文書
辞書登録、定型文・テンプレートの準備、メールタイトルの工夫、文書の構造化など

・PC
ショートカットキーの活用など

・会議
時限設定、目的・ゴール・アジェンダ設定、ツール活用(TV会議、議事録を会議中に完成・共有できるクラウドツールなど)

まとめ

このように、生産性を高い業務を遂行するには、確実に生産性を上げるステップを確実に踏んで仕事に取り組むことがポイントになります。経営者やマネジメント層の方は、この4つのステップに基づいて、社員個人を導いていくことも大切です。

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