コラムモノ・サービスのコストダウンのポイントは「無理な価格交渉からの脱却」と「仕組みの再構築」にあり

企業が外部調達しているモノやサービスのコスト削減といえば、価格交渉が最も一般的な手法です。しかし価格交渉だけは、思うようにコストが下がらず、はがゆい思いをしている方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、モノやサービスの調達コストをより大きく下げるための方法とポイントをご紹介します。

無理な価格交渉による調達コスト削減のデメリット

一般的に行われているモノやサービスの調達コスト削減は、サプライヤーをいかに叩いて削減をするかという価格交渉ですが、この場合の削減対象は相手のマージン(利益)になっています。こうしたマージン目当ての無理なコストダウンは、一定の成果は出るものの、削減幅が対象マージンの範囲に限定されますし、なにより自社とサプライヤーとが「Win-Lose」の関係になってしまいます。これにより、次のようなデメリットが生まれます。

●無理な価格交渉による調達コスト削減のデメリット
・関係が悪化し、ビジネスにも悪影響が出ることがある。
・コストダウンできるものの思いの外、下がらない。下がる額にも限界がある。

より大きなコスト削減をするためには、この従来の手法から脱却し、サプライヤーと「Win-Win」の関係を築くことを目標として仕組みを再構築することがポイントです。

仕組みを再構築し調達コストを下げるには?

「Win-Win」の関係を築き、仕組みの再構築を行うにはどうすればいいのでしょうか。その方法を二つの例を通して具体的に解説します。

1.仕組みの再構築例 (採用)

●サプライヤー:採用サイト
従来型の「採用費を下げてくれませんか」とサプライヤーを叩く価格交渉ではなく、費用対効果を見てトータルの投資で下げることを考えます。契約するサービス内容の分析を行い、無駄を省くなどしてコストを投下する範囲と額を見直し、仕組み自体を再構築します。

例えば、アルバイト採用のために、採用媒体Aと採用媒体Bそれぞれに投資をしているとします。媒体Aは自社求人への応募数が多いもののそれほど多くの費用を投下していません。一方、媒体Bへは多く投下しているものの、応募数は少ない現状があったとします。

こうした場合、まずは媒体別に費用対効果実績を分析し、伸びしろがあるかどうか調べます。そして費用対効果が高い費用配分に変更します。

例えば、媒体Aは費用対効果が高いため、より投下額を増やします。一方、媒体Bは費用対効果実績が出ておらず、伸びしろも疑わしいため、投下額を減らします。

こうすることで同じ応募数にかかるトータルでの投下費用が削減されます。実績として弊社が支援したケースでは前年同年比-31%のコスト削減につながりました。

2. 仕組みの再構築例(物流)

【サプライヤー:倉庫貸し業者】
採用の例と同様に、単なる価格交渉ではなく、契約の一部見直しなどで、先方にもWinがあるような状況下にし、仕組みを再構築することでコストダウンを図ります。
例えば、倉庫貸し業者へ投下する保管料について、価格交渉に加えて、次のような短期施策と長期施策を行います。

●短期施策
・競争入札等による価格見直し
・在庫の圧縮
・管理・監督体制の見直し

●長期施策
・作業の効率化+効率化で得られた利益を自社とサプライヤーで分配(プロフィット・シェアリング)する仕組みの導入

サプライヤー側と利益を分配するプロフィット・シェアリングの仕組みを導入することにより、サプライヤーにもメリットのあるコスト削減が可能になります。

まとめ

マージンを削る無理な価格交渉だけは、大きなコストダウンが見込めません。無理な価格交渉から脱却し、「Win-Win」の関係を保ちながら分析・改善して仕組みを再構築することが、より大きな成果につなげるための最大のポイントです。

そのためには、調達するモノやサービスの状況にあわせたコストダウンを図るための分析を行い、契約の見直しなど、実務面を推進することがポイントです。

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