コラム生産性向上プロジェクト成功の要は「プロジェクトリーダー」選びにあり!

近年、国内企業で推進されている「働き方改革」。「生産性向上プロジェクト」を立ち上げ、さまざまな施策を実施しているという企業は多いのではないでしょうか。しかし、なかなか思うように生産性が上がっていかないという課題を抱えている企業も多くあります。うまくいかない原因は、状況によってさまざまですが、今回は「プロジェクトリーダー」の課題に焦点を絞り、業務改革DXコンサルティングの実績と経験、知識をもとに、解決策を解説します。

生産性向上プロジェクトの4ステップ

生産性向上プロジェクトを社内で立ち上げ、実施していく際には、大まかに次の4ステップがとられることが多いです。

1.目標設定
現状を正しく把握し、適切な目標を設定する。

2.打ち手の選択
目標を達成するための適切な打ち手を選択する。例.ITツールの導入など

3.計画立案
選択した打ち手を実施するための計画を立てる。

4.実行
立てた計画を着実に実行する。

これらは、1~4いずれも重要であり、欠かすことができません。

しかし、この生産性向上プロジェクトのステップのうち、3の計画立案と4の実行のステップでつまずき、うまくいかないことが多いのです。

なぜプロジェクトがうまくいかないのか?

では、なぜプロジェクトがうまくいかなくなってしまうのでしょうか。主な原因として、次のAとBの2パターンが考えられます。

A.経営層が目標と打ち手のみを考え、現場に丸投げしている

よくあるのが、前述の4ステップのうち、経営層が1の目標設定と2の打ち手の選択のみを考え、3の計画立案と4の実行を考えずに現場に丸投げしてしまうことです。すると、現場は目標を意識せずに進めてしまうため、目標と実行が折り合わず、当然、目標達成には至らなくなってしまいます。
この問題を解決するための方法は、経営層が3の計画立案と4の実行もしっかりと考え、現実的に目標を達成できることを計画することにあります。そして、現場に周知し、目標をすり合わせ、しっかりと共有することが重要です。

生産性向上だけでなく、施策にも依らず、働き方改革の成果を出すために重要なのは、根本的な目的・ゴールを明確にして、経営層と従業員が目的の共通化をすることにあります。

もっと言えば、働き方改革を成功させるためには、経営側が「従業員のために働き方改革を成功させる」という目的も十分意識し、会社の目的と社員の目的をそろえることが何よりも重要です。

目的を共通化することの詳細は「働き方改革推進時に直面する課題と解決策」のコラムで詳しく解説しております。

B.プロジェクトリーダーを務められる人材がいない

もう一つのうまくいかないパターンが、「プロジェクトリーダー」を務めるに値する人材が社内にいないというものです。

働き方改革におけるプロジェクトの中心となるのは管理部門ですが、総務、経理などは、ルーティン業務は得意ではあるものの、1から計画を立て、大人数を巻き込む仕事ができる人は少ないのが一般的です。

経営層が陣頭指揮すればうまくいく場合もありますが、そもそも経営層は経営業務が忙しく、プロジェクトリーダーを兼務できないのが現実です。

また仮にプロジェクトリーダーに適任者がいたとしても、プロジェクト遂行のために通常の業務量を減らし、専任の担当として抜擢する等の配慮がない場合は、プロジェクトに集中できず、プロジェクトの成功はむずかしいでしょう。

また、その適任者がプロジェクトリーダーとなった際、自身が所属している部署以外の他部署との調整がうまくいかないといったケースも、失敗要因としてよくあることです。

プロジェクトリーダーに求められる資質とは?

優秀なプロジェクトリーダーを立てるためにも、プロジェクトリーダーに求められる資質を理解しておく必要があります。

1.経営層と従業員両方とスムーズに対話できる「コミュニケーション力」
プロジェクトリーダーには、何よりコミュニケーション能力が欠かせません。経営層と現場の従業員両方から信頼を得る必要があるためです。

2.複数の部署の利害関係を調整できる「調整力」
生産性向上プロジェクトは、複数の部署をまたいで行います。そのため、複数の部署の利害関係を調整できる「調整力」は非常に重要です。

3.想定外の事態が起きたときに軌道修正できる「対応力」
どのようなプロジェクトリーダーにも言えることですが、何か想定外の事態が起きたときに、正しい方向へと軌道修正できる臨機応変、かつ強固な「対応力」も求められます。

4.豊富なプロジェクト経験
生産性向上のプロジェクトリーダーは、過去に何らかのプロジェクトリーダーを務めた経験を持つことが求められます。特に生産性向上の分野で結果を出した経験を持つことは、非常に強みになり、同時に会社にとって非常に頼りになります。

社内に適任の人材がいない場合

これまでご紹介してきたプロジェクトリーダーの資質を十分持ち、兼任ではなく、専任の担当者となり得る人材を社内で見つけるのは、どの企業でもむずかしいものです。

そのようなときには、社外の人材を活用する手が考えられます。

成功への近道は、プロジェクトリーダー経験が豊富なコンサルタントに依頼することにあります。

プロジェクトリーダー経験が豊富なコンサルタントの中には、総労働時間のスリム化や業務効率化を20~30%以上達成させた者もいます。こうしたコンサルタントは、改革の際に起こりがちな問題やその解決事例・ノウハウを数多く知っているため、自社の取組においても、そうした事例・ノウハウの提示を通じて改革のスピードアップや成果拡大を後押ししてくれるでしょう。

まとめ

生産性向上プロジェクトを成功させるためには、目標設定から実行までのステップをしっかりと経営層が明確に定めておき、従業員と目的を共通化することが重要になります。
また、適任となるプロジェクトリーダーの役割を、経験が豊富で、同様の実績もあるコンサルタントに依頼するのも一つの方法です。

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