コラム働き方改革に重要なのは「生産性向上」~従業員のモチベーションアップも意識しよう

働き方改革の一環として、いま、多くの企業が残業削減に取り組んでいます。しかし、残業時間を減らすことばかりに注力し、そもそも働き方改革とは何であるかということを十分に認識できていない企業も少なくないようにみえます。意味のある成果をあげるには、視野を広げ、働き方改革の目的を再認識することが重要です。
今回は働き方改革の成果を出すために要となる「生産性向上」のためのポイントと、据えるべきゴールを解説します。

「生産性向上」が残業の抑制につながる

いま、日本では長時間労働の是正の必要性から、「早く帰りましょう」という呼びかけや、ノー残業デーなどの残業時間を減らす取り組みが各社で行われています。しかし、残業抑制の目的が独り歩きしている現状があるようにも見受けられます。実際、なかなか思うような結果につながっていないことも多いのではないでしょうか。

実は、この残業削減を効率的に実施できている会社には、ある共通点が見られます。それは、組織や人の「生産性向上」も併せて意識していることです。
残業抑制を目的とするのではなく、「働き方改革」を経営戦略としてとらえ、制度化・システム化するなど、その目的である「生産性向上」を目指した活動を行うことで、結果的に無理のない残業抑制につながります。

なぜ働き方改革が必要なのか

そもそもなぜ働き方改革が必要なのでしょうか。時代の要請もあり、政府が推進しているという背景もありますが、その理由を改めて考えることが大切です。
少子高齢化社会における人口減少により、年々、働き手の減少が続いています。こうした「働き手不足」への対策としては、「1.働き手のすそ野を広げる」、「2.生産性を高める」の2通りの方法が考えられます。

残業抑制は、ワークライフバランスが働くための重要な条件となる女性や高齢者などへ「1.働き手のすそ野を広げる」対策の1つになり得ますが、前述のように、残業抑制を無理なく行うためにも、さらに踏み込んで少ない働き手でも必要な業務をこなせるようにするためにも、「2.生産性を高める」ことがより重要です。

「労働生産性」とは

では生産性、すなわち「労働生産性」とは何なのかを詳しくみていきましょう。労働生産性は、次の式で表すことができます。

労働生産性=付加価値(アウトプット)の質×量/労働時間

労働生産性を高めるためには、分母の「労働時間」を削ると同時に、分子の「付加価値の質×量」の中でも、特に「質」を高める必要があります。

労働時間を減らすにも、付加価値の質を高めるにも、それぞれ「仕組み改善」と「スキルアップ」の2通りの方法があります。これらの方法に取り組み、労働生産性を高めることが働き方改革の施策について成果を出す秘訣です。

その具体的な方法は、コラム「働き方改革~残業削減・長時間労働解消のための3つの視点」や「働き方改革を加速する最新テクノロジー~RPA(Robotic Process Automation)」、「ITを活用して働き方改革をスピーディーに推進するためには」で解説していますので、合わせてご覧ください。

働き方改革の目的を共通化することが重要

働き方改革の成果を出すために重要なのは、どのような施策を行うに際しても、まず前提として根本的な目的・ゴールを明確にすることです。

働き方改革を成功させるためには、「会社のため」だけでなく、「従業員のため」という目的・ゴールを持つことが鍵になります。会社が「従業員のため」という目的も十分意識し、会社の目的と社員の目的をそろえることが何よりも重要です。

この目的を社員と共通化することについての詳細は、コラム「働き方改革推進時に直面する課題と解決策」で解説しています。

必要なのは「従業員のモチベーション重視」の考え方

多くの企業は今、残業削減などの取り組みを全社的に行っています。しかし、ただ単に「時間内に早く仕事を終わらせて帰りましょう」という掛け声だけに終わってしまっている節があります。

なぜなら、従業員にとってみれば執拗な掛け声は「コスト削減のために自分たちの給料を減らそうとしている」と思われてしまうこともあるためです。すると従業員のモチベーションが下がってしまいます。

従業員のモチベーションが下がると労働生産性も下がるため、働き方改革が達成できず、悪循環に陥ってしまいます。

重要なのは、会社が従業員のモチベーションを重視して取り組んでいくことにあります。

例えば、残業抑制は従業員の「働きやすさ」を改善する取組であり、また生産性向上は、従業員の働きやすさを無理なく実現しつつ、会社の業績改善を通じ従業員に還元されるもの、といったことを経営者がきちんと認識し従業員へ伝え続けることが肝要です。

この従業員のモチベーションを重視することについての詳細も、コラム「働き方改革推進時に直面する課題と解決策」で解説しています。

 

まとめ

働き方改革の成果を出すためには、残業抑制を最終目的に捉えることなく、その本質・本来の目的を理解した上で「労働生産性を高める」ための公式を頭に思い描き、労働時間の削減と付加価値の質の向上を目指すことが重要です。
また、ゴールを従業員とそろえ、従業員が高いモチベーションを保つことを重視することで、改革が確実に進んでいきます。

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