コラム働き方改革~残業削減・長時間労働解消のための3つの視点
近年の働きすぎ問題や2017年3月の「働き方改革実行計画」で時間外労働の上限規制が掲げられるなど、昨今の世の中の動きを考えると、長時間労働解消はどの企業でも急務といえます。しかし、残業削減施策を実施しても思うような結果が出ていない、もしくは悪い結果になっている企業もあります。そこで今回は、残業削減や長時間労働を解消する際に直面する課題と解決策について解説します。
なぜ残業抑制だけに注力することは問題なのか
多くの企業は、残業削減・長時間労働の解消のために、社員へなんとかして早く仕事を切り上げるよう、一斉に掛け声をかけています。中には、業務効率化のためにIT機器に頼るなどの方法を取り入れている企業も少なくありません。
しかし、残業時間の抑制だけに注力することは問題があります。
その具体的な理由は次の通りです。
1.仕事の見直しができていない
ただ「残業しないで早く帰る」ことだけをやっていると、結局、仕事を持ち帰ることでのサービス残業になるケースも多く、いずれ残業組が出てきて定着しないでしょう。これは、仕事そのものを見直していないことが問題です。
2.掛け声だけになっている
「早く帰りましょう」「今日はノー残業デーです」といった一斉の掛け声だけの企業も多く見られます。こうした掛け声ばかりだと、従業員に「会社は残業代を減らしてコスト削減をしたいだけなんだな」と思われてしまい、自分のメリットとして感じさせることができません。仕事を早く効率的にこなすモチベーションが足りず、結果的に、改革推進力が下がってしまいます。
3.急いでやることばかりに注力する
「早く仕事を切り上げなきゃ」と従業員がそればかりに注力してしまうと、アウトプットの質が忘れられがちになります。急いでやることばかりに注力させることは、労働生産性を下げる結果となります。
長時間労働解消のために必要なこと
コラム「働き方改革に重要なのは「生産性向上」~従業員のモチベーションアップも意識しよう」でも解説した通り、長時間労働の解消は働き方改革の一つに過ぎません。働き方改革のそもそものゴールである労働生産性を高めるには、「労働生産性=付加価値(アウトプット)の質と量/時間」の式の通り、分母と分子の両方を改善しなければなりません。
今回は、この分母の労働時間を下げることにフォーカスし、そのために必要なことをご紹介します。
日本のホワイトカラー業務の労働時間削減のポイント3つ
労働時間を削減するための一つの方法が「仕組み改善」です。ここでは日本のホワイトカラー業務を想定して、労働時間を削減するための3つのポイントをご紹介します。
1.「やりすぎ」を是正する
多くの日本企業において、業務を「やりすぎている(過剰なアウトプットを生み出している)」ケースは数多く見受けられます。こうしたケースは、従来の終身雇用制等を背景に、社内での過度な慮りや社内に閉じた慣習・ルール、縦割り組織の弊害など「組織」に起因するものが多く、また、古くから根付いている習慣であるがゆえに、自社内で自ら見直すことは簡単そうにみえて難易度が高いのが通常です。
そこで、是正に向けては第三者の視点を入れ、特に「世の中のベストプラクティス」を横展開することが、関係者の納得感という点でも有効です。
2.「古すぎ」を是正する
いわゆる最新のITテクノロジーを取り入れる方法です。ホワイトカラー業務に親しみがある基幹システムの活用も引き続き必要ですが、クラウド、RPA、IoT、AIといった新しいテクノロジーの使いこなしが、ホワイトカラーの生産性の成否を分けるようになってきています。これは大企業のみならず、小規模企業においても同じことがいえます。
RPAを活用する方法の詳細は、コラム「働き方改革を加速する最新テクノロジー~RPA(Robotic Process Automation)」で解説しています。合わせてご覧ください。
3.「抱えすぎ」を是正する
業務の属人化や業務量変動とこなす固定人員体制のミスマッチといった古くからある課題に対しては、マルチタスクや変動化などの対策が王道です。しかし世の中の流れとして、インターネットを活用したリモートワークやクラウドワーク(人材シェアリング)なども急激に対策の幅を広げています。こうした新しい手法は業務効率化に留まらず、働き手の拡大を通じて、働き方改革本来の目的である「働き手不足」解消にも寄与します。
これらの3つの課題は、どの企業にも多少なりとも存在すると考えられます。対策を講じる際には、改善したときのインパクトが大きいものに対して対策を取ることで十分な成果が得られます。
現状、特に2の「古すぎ」の是正が多くの企業で注目を集めていますが、実は1の「やりすぎ」や3の「抱えすぎ」の是正は意外と盲点になっているケースが多くあります。働き方改革で成果において他社に対して差をつけることを考えると、2のみならず、1と3にも着目するのがおすすめです。
また、いずれの施策もまずは自社の業務を洗い出し、細かく分けて「見える化」することが重要です。「見える化」の重要性については、コラム「働き方改革の仕組み改善の要は「見える化」にあり!」で解説しています。
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